Jacques Lacan "Le symbolique, l'imaginaire et le réel" 試訳
みなさん。我々の新たな協会*1の最初の科学的と言われるような発表に際して、私が野心に欠けていないタイトルを選択したということが、あなたたちにはお分かりになるでしょう。
いずれにせよ、私はまずここで赦しを乞うことから始めたいと思います。あなたたちにご理解願いたいことは次のことです。この発表が、ここにいる私の生徒である人たちが先立つ二年間の私の授業を通してよく理解している見解の要約だということ、それと同時に、精神分析研究のある方針についての序文や導入のようなものだということです。
実際、私はフロイトのテクストへの回帰、それは先立つ二年間の私の授業の対象であったのですが、それは私、あるいは我々、一緒に勉強してきた我々全員に、ますます確かなある考えを与えてくれました。その考えとは、フロイトの経験によって作られたものほど完全な人間の現実はないということ、そして我々はフロイトの原点に回帰し、あらゆる語の意味においてこの諸テクストを理解せずにはいられないということです。
我々が考えずにいられないのは、精神分析の理論、それと同時にその技法、それはたった一つのもの、同じものを形成するのですが、それがある種の縮小や、実を言うと損壊を被ってしまっているということであります。実際、このような完全さの水準で維持されるのは容易いことではないのです。
例えば、「狼男」のようなテクスト、私は今晩はそれをあなたたちに説明するものの基本あるいは例証として使用しようと思ったのです。しかし、その点については昨年のセミネールで行ったので、私は昨日一日中再び全て読み返してみました。そして、私はただこういうことを感じたのです。それは、あなたたちに一つの考えを近似値すらも与えることが全くできなかったということ、そして昨年の私のセミネールではやるべき一つのこと——来年もまたやるということ——しかできなかったということです。
実際、この類稀なテクストにおいて明らかとなったものは、我々が今年「鼠男」のテクストに関して行った研究と進捗を経て、私に以下のように思わせるものでありました。昨年、原則として、例証として、そしてこの並外れたテクストによって提供された特徴的な思考の類型として私が取り出したものは、いわゆるアングロサクソンの言語ような、言い換えれば、片言のような、単純なアプローチでしかなかったということです。従って、私は今晩ごく簡単に、まさに人間の現実の重要な境域であり、象徴界、想像界、現実界と呼ばれる、はっきりと識別できるこの三つの境域の対立が意味するものについて幾つかの言葉を言ってみようと思います。
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映画批評対応表
監督名索引
ア行
- 青山真治
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(05):『映画崩壊前夜』
『サッドバケイション』(07):『映画崩壊前夜』 - アンダーソン、ウェス
『ライフ・アクアティック』(04):『映画崩壊前夜』 - アンダーソン、ブラッド
『マシニスト』(04):『映画崩壊前夜』 - イーストウッド、クリント
『ブラッド・ワーク』(02):『映画崩壊前夜』
『ミスティック・リバー』(03);『映画崩壊前夜』
『父親たちの星条旗』(06):『映画崩壊前夜』 - イオセリアーニ、オタール
『月曜日に乾杯!』(02):『映画崩壊前夜』 - 井口奈巳
『犬猫』(01):『映画崩壊前夜』 - ヴァルダ、アニエス
その他:『映画崩壊前夜』 - ウィンクラー、アーウィン
『五線譜のラブレター』(04):『映画崩壊前夜』 - オリヴィエラ、マノエル・ド
『クレーヴの奥方』(99):『映画崩壊前夜』
『家路』(01):『映画崩壊前夜』
『家宝』(02):『映画崩壊前夜』
『永遠の語らい』(03):『映画崩壊前夜』
カ行
- カーティス、マイケル
『カサブランカ』(42):『ラカンはこう読め!』 - 加藤泰
その他:『映画崩壊前夜』 - カゼリーニ、マリア
『されどわが愛は死なず』(1913):『映画崩壊前夜』 - キアロスタミ、アッバス
『10話』(02):『映画崩壊前夜』 - 北野武
『座頭市』(89):『映画崩壊前夜』
『Dolls(ドールズ)』(02):『映画崩壊前夜』 - キューブリック、スタンリー
『アイズ・ワイド・シャット』(99):『ラカンはこう読め!』 - 神代辰巳
その他:『映画崩壊前夜』 - 黒沢清
『アカルイミライ』(03):『映画崩壊前夜』
『ドッペルゲンガー』(03):『映画崩壊前夜』
『叫』(06):『映画崩壊前夜』 - コスタ、ペドロ
『ヴァンダの部屋』(00):『映画崩壊前夜』 - ゴダール、ジャン=リュック
『女と男のいる舗道』(62):『反解釈』、"Speaking about Godard"
『軽蔑』(64):"Speaking about Godard"
『アルファビル』(65):"Speaking about Godard"
『ウィークエンド』(67):"Speaking about Godard"
『たのしい知識』(68):"Speaking about Godard"
『ナンバー2』(75):"Speaking about Godard"
『パッション』(85):"Speaking about Godard"
『ヌーヴェルヴァーグ』(90):"Speaking about Godard"
サ行
- サント、ガス・ヴァン
『エレファント』(03):『映画崩壊前夜』 - 塩田明彦
『カナリア』(04):『映画崩壊前夜』 - ジャ・ジャンクー
『青の稲妻』(02):『映画崩壊前夜』
その他:『映画崩壊前夜』 - シャブロル、クロード
『石の微笑』(04):『映画崩壊前夜』 - シュミット、ダニエル
その他:『映画崩壊前夜』 - ジョーダン、ニール
『クライング・ゲーム』(92):『快楽の転移』 - ズウィック、エドワード
『ラスト・サムライ』(03):『映画崩壊前夜』 - スコット、トニー
『マイ・ボディーガード』(04):『映画崩壊前夜』 - スコット、リドリー
『エイリアン』(79):『ラカンはこう読め!』 - スピルバーグ、スティーヴン
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(03):『映画崩壊前夜』 - スミス、ジャック
『燃え上がる生物』(63):『反解釈』 - スレイマン、エリア
『D.I.』(01):『映画崩壊前夜』 - 相米慎二
その他:『映画崩壊前夜』 - ソクーロフ、アレクサンドル
『モレク神』(99):『映画崩壊前夜』
『ドルチェ——優しく』(00):『映画崩壊前夜』
『エルミタージュ幻想』(02):『映画崩壊前夜』
『チェチェンへ アレクサンドラの旅』(07):『映画時評2009—2011』
タ行
- 田中徳三
『濡れ髪牡丹』(61):『映画崩壊前夜』 - タランティーノ、クエンティン
『キル・ビル Vol.1』(03):『映画崩壊前夜』
『キル・ビル Vol.2』(04):『映画崩壊前夜』 - ダンテ、ジョー
『ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション』(03):『映画崩壊前夜』 - チョン・ジェウン
『子猫をお願い』(01):『映画崩壊前夜』 - ドライヤー、カール
『ゲアトルーズ』(64):『映画崩壊前夜』
ナ行
- 中田秀夫
『カオス』(00):『映画崩壊前夜』
ハ行
- バートン、ティム
『Planet of the Apes 猿の惑星』(01):『映画崩壊前夜』
『ビッグ・フィッシュ』(03):『映画崩壊前夜』 - フォード、ジョン
その他:『映画崩壊前夜』 - ブニュエル、ルイス
『自由の幻想』(74):『ラカンはこう読め!』 - ブレッソン、ロベール
その他:『反解釈』 - 舩橋淳
『echoes(エコーズ)』(00):『映画崩壊前夜』 - ヘインズ、トッド
『エデンより彼方に』(02):『映画崩壊前夜』 - ホウ・シャオシェン
『珈琲時光』(03):『映画崩壊前夜』
マ行
- 万田邦敏
『接吻』(08):『映画崩壊前夜』 - マン、マイケル
『コラテラル』(04):『映画崩壊前夜』 - ムルナウ
その他:『映画崩壊前夜』 - メイフィールド、レス
『アメリカン・アウトロー』(01):『映画崩壊前夜』
ヤ行
- ヤン、エドワード
その他:『映画崩壊前夜』
ラ行
- ライミ、サム
『スパイダーマン2』(04):『映画崩壊前夜』 - ラング・フリッツ
その他:『映画崩壊前夜』 - レネ、アラン
『ミュリエル』(63):『反解釈』 - ロメール、エリック
『グレースと公爵』(01):『映画崩壊前夜』
ワ行
- ワイズマン、フレデリック
その他:『映画崩壊前夜』
文献リスト
- スーザン・ソンタグ『反解釈』、ちくま学芸文庫、1996年。
- スラヴォイ・ジジェク『快楽の転移』松浦俊輔+小野木明恵訳、青土社、1996年。
- Kaja Silverman and Harun Farocki. "Speaking about Godard", NYU Press, 1998.
- 蓮實重彦『映画崩壊前夜』、青土社、2008年。
- スラヴォイ・ジジェク『ラカンはこう読め!』鈴木晶訳、紀伊國屋書店、2008年。
- 蓮實重彦『映画時評2009—2011』、講談社、2012年。
随時更新。